#author("2020-04-21T19:19:41+09:00","default:editor","editor") * 教員向け/OneDriveの共有モデルを理解する [#t4bf56bf] >注意: 筆者の現時点 (2020 年 4 月) の理解に基づいて書いています。 不正確な箇所や誤りがあるかもしれませんので、 あくまで参考程度にとらえてください。 ** OneDrive のファイルフォルダ共有機能 [#e0b56d1e] OneDrive において、非常に便利で、 また同時に非常にわかりづらいのがファイルやフォルダの共有機能です。 Google Drive や DropBox に慣れている人が、 OneDrive のファイル / フォルダ共有機能を使おうとすると大変混乱すると思います。 それは、 >OneDrive と他のメジャーなオンラインストレージサービス (Google Drive や DropBox) では、''ファイル / フォルダ共有のモデルが違う'' からです。 ** Google Drive や DropBox の共有モデル [#n587bd41] まず、素直でわかりやすい Google Drive や DropBox の共有モデルから説明します。 Google Drive や DropBox における「共有」の概念は単純で、 ファイルや、フォルダがそれぞれ「共有」に関する単一の状態を持っています。 あるファイルもしくはフォルダ (オブジェクト X と呼びます) について考えます。 Google Drive や DropBox では、 における「共有」の概念は単純で、 オブジェクト X は基本的に以下のいずれかの状態を取ります。 - 非共有状態 (所有者のみがアクセス (読み書き) できる状態) - 共有状態 (所有者とそれ以外のユーザがアクセスできる状態) -- 特定のユーザとの共有状態 (読み出しのみ、読み書き両方の 2 種類あり) -- リンクを知っているすべてのユーザとの共有状態 (読み出しのみ、読み書き両方の 2 種類あり) オブジェクト X の共有リンクは、オブジェクト X を差します。例えば、Google Drive における https://docs.google.com/forms/d/... という共有リンク (URL) はオブジェクト X を意味しています。 オブジェクト X が共有状態であれば、 上記の URL でアクセスできますし、 オブジェクト X が非共有状態であれば上記の URL にアクセスしてもオブジェクト X は読み書きできません。 従って、 + オブジェクト X を何らかの「共有状態」に設定する + オブジェクト X の共有リンク L を取得し、それを知人 A に送付する + 「しまった、間違って編集可で共有していた!」と気づく + オブジェクト X をあわてて編集不可の状態に変更する + 知人 A が共有リンク L でアクセスすると編集できなくなっている という動作になります。大変わかりやすい仕組みです。 ** OneDrive の共有モデル [#q567f7a1] OneDrive の共有モデルは、 上記のものとはずいぶん違います。 柔軟性が高いといえばそうなのですが、 複雑で直感的ではない共有モデルになっています。 OneDrive では、単一のオブジェクトに対して、 複数の共有リンク L_1, ..., L_N を持つことができ、 それぞれの共有リンクが異なる共有状態を持ちます。 初期状態では、オブジェクト X は誰とも共有されていない (所有者のみが読み書き可) ですので、 共有リンクは一つも存在していません。 OneDrive では、ファイルの所有者が OneDrive 状で、 「リンクをコピー」を選択した瞬間に共有リンク L_i が生成されます。 「リンクを知っている関西学院のすべてのユーザー」で「リンクをコピー」を クリックした瞬間に一つ共有リンクが生成されます「リンクを知っているすべての ユーザー」で「リンクをコピー」をクリックした瞬間にまた一つ共有リンクが 生成されます。 「リンクを知っているすべてのユーザー」で、 「編集を許可する」のチェックを外して、 「リンクをコピー」をクリックした瞬間にまたもう一つ共有リンクが生成されます。 つまり、オブジェクト X には、共有状態ごとに複数の共有リンク L_1, ..., L_N が生成されます。 つまり、それぞれの L_i は、すべて共有状態のいずれかを意味し、 - 共有対象が「リンクを知っているすべてのユーザー」、「リンクを知っている学校法人関西学院のユーザー、規定のアクセス権を持つユーザー、特定ユーザー」 - 編集の許可、不許可 - 「リンクを知っているすべてのユーザー」の場合は、その有効期限 - 「リンクを知っているすべてのユーザー」の場合は、パスワードの設定 の状態によって違う URL となります。 OneDrive で共有リンクが「毎回異なるなあ……」と不思議に思うのはこのためです (OneDrive では、同じ共有設定で共有リンクを生成した場合は同じ URL になります)。 オブジェクト X の内部状態として、 これまでに生成された共有リンク L_1, ..., L_N があり、 それぞれの共有リンク L_1, ..., L_N はオブジェクトへのアクセス権の違いに 対応しています。 従って、 + オブジェクト X を何らかの「共有状態」に設定する (共有リンク L_1 が生成される) + オブジェクト X の共有リンク L_1 を、知人 A に送付する + 「しまった、間違って編集可で共有していた!」と気づく + オブジェクト X をあわてて編集不可の状態に変更するともりで別の共有リンク L_2 を生成する (だけの意味しかない) + 知人 A が共有リンク L_1 でアクセスすると当然編集できる という挙動になります。 上記のような場合、OneDrive で取るべき行動は、 + オブジェクト X を何らかの「共有状態」に設定する (共有リンク L_1 が生成される) + オブジェクト X の共有リンク L_1 を、知人 A に送付する + 「しまった、間違って編集可で共有していた!」と気づく + オブジェクト X の共有リンク L_1 を削除する (「共有」→「アクセス許可の管理」から共有リンク L_1 を削除する) + 知人 A が共有リンク L_1 でアクセスしても無効なのでアクセスできない になります。 OneDrive の共有モデルは、 お世辞にもすばらしいものだとは思いませんが、 使いこなすためにはこの共有モデルの理解が不可欠と思われます。 上記の共有モデルを理解して、 以下のようなファイル / フォルダ共有に関するガイドを読んでもらえれば理解が 深まると思います。 - [[OneDrive のファイルとフォルダーの共有>https://support.office.com/ja-jp/article/OneDrive-%E3%81%AE%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%81%A8%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%83%80%E3%83%BC%E3%81%AE%E5%85%B1%E6%9C%89-9fcc2f7d-de0c-4cec-93b0-a82024800c07]] - [[OneDrive for Business ユーザー ガイド>https://www.microsoft.com/ja-jp/download/details.aspx?id=56666]] ** コメント [#p184b0b2] #pcomment(,100,reply) アクセス数: 現在: &online;, 今日: &counter(today);, 合計: &counter(total);[[FrontPage]]