#author("2020-04-21T20:06:31+09:00","default:editor","editor")
#author("2020-05-25T20:21:47+09:00","default:editor","editor")
* 教員向け/OneDriveの共有モデルを理解する [#t4bf56bf]

>注意: 筆者の現時点 (2020 年 4 月) の理解に基づいて書いています。
不正確な箇所や誤りがあるかもしれませんので、
あくまで参考程度にとらえてください。

** OneDrive のファイルフォルダ共有機能 [#e0b56d1e]

OneDrive において、''非常に便利で、また同時に非常にわかりづらい''のがファイルやフォルダの共有機能です。

Google Drive や DropBox に慣れている人が、
OneDrive のファイル / フォルダ共有機能を使おうとすると大変混乱すると思います。
それは、

>OneDrive と他のメジャーなオンラインストレージサービス (Google Drive や 
DropBox) では、''ファイル / フォルダ共有のモデルがぜんぜん違う''

からです。

** Google Drive や DropBox の共有モデル [#n587bd41]

まず、''素直でわかりやすい'' Google Drive や DropBox の共有モデルから説明します。

Google Drive や DropBox における「共有」の概念は単純で、
ファイルや、フォルダが''それぞれ「共有」に関する単一の状態''を持っています。

以下、あるファイルもしくはフォルダ (オブジェクト X と呼びます) について考えます。
Google Drive や DropBox における「共有」の概念は単純で、
オブジェクト X は基本的に''以下のいずれか一つの状態''を取ります。

- 非共有状態 (所有者のみがアクセス (読み書き) できる状態)
- 共有状態 (所有者とそれ以外のユーザがアクセスできる状態)
-- 特定のユーザとの共有状態 (読み出しのみ、読み書き両方の 2 種類あり)
-- リンクを知っているすべてのユーザとの共有状態 (読み出しのみ、読み書き両方の 2 種類あり)

オブジェクト X の共有リンクは、''オブジェクト X を差します''。
例えば、Google Drive における

  https://docs.google.com/forms/d/...

という共有リンク (URL) はオブジェクト X を意味しています。
オブジェクト X の共有状態にかわからず、共有リンクは同じです。
オブジェクト X が共有状態であれば、
上記の URL でアクセスできますし、
オブジェクト X が非共有状態であれば、
上記の URL にアクセスしてもオブジェクト X は読み書きできません。

従って、

+ オブジェクト X を何らかの「共有状態」に設定する
+ オブジェクト X の共有リンク L を取得し、それを知人 A に送付する
+ 「しまった、''間違って編集可で共有していた!''」と気づく
+ オブジェクト X をあわてて''編集不可の状態に変更''する
+ 知人 A が共有リンク L でアクセスすると''編集できなくなっている''

という動作になります。大変わかりやすい仕組みです。

** OneDrive の共有モデル [#q567f7a1]

OneDrive の共有モデルは、
上記のものとはずいぶん違います。
柔軟性が高いといえばそうなのですが、
''複雑で直感的ではない''共有モデルになっています。

OneDrive では、単一のオブジェクトに対して、
複数の共有リンク L_1, ..., L_N を持つことができ、
''それぞれの共有リンクが異なる共有状態を持ちます''。
初期状態では、オブジェクト X は誰とも共有されていない (所有者のみが読み書き可) 状態ですので、
共有リンクは一つも存在していません。

OneDrive では、ファイルの所有者が OneDrive 上で、
''「リンクをコピー」を選択した瞬間''に共有リンク L_i が生成されます (画面上には確かにグリーンのアイコンで「リンクが作成されました!」と毎回表示されています)。
「リンクを知っている関西学院のすべてのユーザー」で「リンクをコピー」を
クリックした瞬間に一つ共有リンクが生成されます。「リンクを知っているすべての
ユーザー」で「リンクをコピー」をクリックした瞬間に''また一つ共有リンクが生成されます''。
「リンクを知っているすべてのユーザー」で、
「編集を許可する」のチェックを外して、
「リンクをコピー」をクリックした瞬間に''またもう一つ共有リンクが生成されます''。

つまり、オブジェクト X には、共有状態ごとに複数の共有リンク L_1, ..., L_N が生成されます。
つまり、それぞれの共有リンク L_i は、ある共有状態に対応しており、
- 共有対象が「リンクを知っているすべてのユーザー」、「リンクを知っている学校法人関西学院のユーザー、規定のアクセス権を持つユーザー、特定ユーザー」
- 編集の許可、不許可
- 「リンクを知っているすべてのユーザー」の場合は、その有効期限
- 「リンクを知っているすべてのユーザー」の場合は、パスワードの設定

の状態によって違う URL となります。
OneDrive で共有リンクが「毎回異なって変だなあ……」と不思議に思うのはこのためです 
(上記の理由により、OneDrive で''同じ共有設定で共有リンクを生成した場合は同じ URL になります'')。

オブジェクト X の内部状態として、
これまでに生成された共有リンク L_1, ..., L_N があり、
それぞれの共有リンク L_1, ..., L_N は、オブジェクトへのアクセス権の違いに対応しています。

従って、

+ オブジェクト X を何らかの「共有状態」に設定する (共有リンク L_1 が生成される)
+ オブジェクト X の共有リンク L_1 を、知人 A に送付する
+ 「しまった、''間違って編集可で共有していた!''」と気づく
+ オブジェクト X をあわてて編集不可の状態に''変更するつもり''で、実は別の''共有リンク L_2 を生成しているだけ''
+ 知人 A が共有リンク L_1 でアクセスすると''当然編集できてしまう''

という挙動になります。

上記のような場合、OneDrive で取るべき行動は、

+ オブジェクト X を何らかの「共有状態」に設定する (共有リンク L_1 が生成される)
+ オブジェクト X の共有リンク L_1 を、知人 A に送付する
+ 「しまった、間違って''編集可で共有していた!''」と気づく
+ オブジェクト X の''共有リンク L_1 を削除''する (「共有」→「アクセス許可の管理」から共有リンク L_1 を削除できる)
+ 知人 A が共有リンク L_1 でアクセスしても無効なのでアクセスできない

になります。

OneDrive の共有モデルは、
お世辞にもすばらしいものだとは思いませんが、
使いこなすためにはこの共有モデルの理解が不可欠と思われます。

上記の共有モデルを理解して、
以下のような OneDrive のファイル / フォルダ共有に関するガイドを読んでもらえれば理解が
深まるのではないかと思います。

- [[外部リンク: OneDrive のファイルとフォルダーの共有>https://support.office.com/ja-jp/article/OneDrive-%E3%81%AE%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%81%A8%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%83%80%E3%83%BC%E3%81%AE%E5%85%B1%E6%9C%89-9fcc2f7d-de0c-4cec-93b0-a82024800c07]]

- [[外部リンク: OneDrive for Business ユーザー ガイド>https://www.microsoft.com/ja-jp/download/details.aspx?id=56666]]

** コメント [#p184b0b2]

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