Microsoft Teams (以下、 Teams) は、Microsoft が提供している、 グループ内でのコミュニケーションや協働のためのプラットフォームです。 2018 年にリリースされたばかりの新しいサービスです。 現在、IT エンジニアを中心に広く普及しているチャットツール Slack の 競合サービスと言えます。 Microsoft によれば、 2020 年時点で 4400 万人のユーザに利用されているとのことです。 もともとビジネス用途に開発されたこともあり、 以下に説明するように本学のような大規模教育機関での利用には適さない 面もありますが、''強力なチャットや会話、 コラボレーションの機能''を提供しています。
Teams には、Windows、 macOS、Linux 上で単独で動作するデスクトップ版アプリと、 Android OS や iOS 上で単独で動作するモバイル版のアプリがあります。 少しややこしいですが、 Teams には、Web ブラウザを利用して (Web サービスとして) 動作するWeb 版 もあります。 デスクトップ版、モバイル版、 Web 版で提供される機能が微妙に異なることに注意が必要です。 例えば、Web 版の Teams でも、 デスクトップ版やモバイル版と同様にビデオ会議は可能ですが、 Web 版では多くの場合、 画面の共有ができないといった制約があります。
Teams を理解する上で重要なのは以下の概念です。
Teams は、基本的に、 同一の組織に所属する人たちで利用することを想定しているようです。 同じ組織の人たちが、 それぞれMicrosoft アカウントを取得して、 Teams のユーザとして以下の「チーム」に参加する、 という形です。
Teams において、ユーザをまとめたグループを「チーム」と呼びます。 目的や用途ごとに、チームを自由に作り、 それぞれのチーム内でチャットやビデオ会議を行う、 という利用モデルになっています。
ユーザのグループが「チーム」ですが、 ''「チーム」の中に、 さらにトピックごとに複数の「チャネル」を作る''ことができます。 同じユーザのグループでコミュニケーションする時も、 その用途に応じてチャネルを使い分けます。 チャネルは、初期状態で「一般」というチャネルが作成されます。 必要に応じて、「一般」以外のチャネルを作成して利用する、 という形です。
いわゆる「チャット」です。 文字ベースのショートメッセージによるコミュニケーションです。 少しわかりにくいのは、 チャットの単位は「チーム」ではないという点です。 「チーム」のメンバ間でメッセージを交換するという機能も別途あるのですが、 「チャット」では、個々の「ユーザ」を一人または複数人指定してその 都度チャットします。 つまり、ユーザ間でメッセージを交換する仕組みが、 「チャネル」内にもあるし、 「チャット」内にもある、 という構造です。 「チャネル」内のメッセージ交換と、 「チャット」におけるメッセージ交換がそっくりだけど実は異なるものなので 非常にわかりづらくなっています。 チャネルはスレッド形式、 チャットは非スレッド形式で、 二つは似ていますが違うものです。
チャネル内のメッセージもチャットもテキストメッセージですが、 メッセージ交換できるユーザ間での音声通話やビデオ会議が可能 (''一対一でも、 複数人間でも可'') です。 音声通話は IP 電話、 ビデオ会議も IP (インターネット) を利用しますので、 インターネットに接続していれば別途通信費用も発生しません。 Teams の契約プランによっては公衆回線を使って音声通話もできるようです (関西学院の契約では不可)。
Teams における一般的なワークフローは、 目的ごとにユーザのグループである「チーム」を作り、 用途ごとにチーム内に「チャネル」を作り、 普段はメッセージを交換して情報交換を行う。 凝った話をしたい時は、 一対一もしくは多人数での音声通話やビデオ会議を行う。 ちょっとした話がある時は「チャット」で気軽にメッセージを送る、 というものです。
Teams には無料版と有料版があり、 無料版でもかなりのことができます。 有料版では、会議のスケジュール (予約) ができる、 会議の録音・録画ができる等の違いがあります。 詳細は以下のページを参照してください。
Teams は大変優秀なサービスですが、 本学のような大規模研究機関には、 そのまま利用するにはいくつかの (難しい) 問題があります。 Teams は、もともと数十〜数百人くらいの規模の企業での利用を想定している ようです。 Teams では、基本的に誰もが「グループ」を自由に作れます。 グループを作るために、 組織内のメンバを名前 (の一部) やメールアドレス等を利用して簡単に 探せるようになっています。 このため、本学で Teams をそのまま、 何も制限をかけずに使うと、 「ある教員が、全学生を自由に検索して、 しかも個別に (プライベートに) 電話をかけたりメッセージを送る」 といったことができてしまいます。 Teams が強力すぎて、 組織のメンバのプライバシや個人情報を (そのままでは) 十分に 保護できなくなります。
こういった理由により、 本学では Teams を利用可としていますが、 きわめて制限が強い状態で運用しています。 「教職員のみが、Teams のごく一部の機能 (音声通話やビデオ会議) が限定的に 利用できるだけ」と理解してください。 世界中に公開されている、 「 Teams の便利な使い方」のガイド等をご覧になっても、 その大部分は利用できない (プライバシ保護のため意図的に制限している) と 思っていただくのが良いと思います。
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