Type-A 教室の実現例†
Type-A 教室の目的†
学生に対して、より良い学びの場を提供すること
→ 「良さ」の判断基準は?
- 教育基本法
(学校教育)a
第六条の 2
前項の学校においては、教育の目標が達成されるよう、教育を受ける者の心
身の発達に応じて、体系的な教育が組織的に行われなければならない。この
場合において、教育を受ける者が、学校生活を営む上で必要な規律を重んず
るとともに、自ら進んで学習に取り組む意欲を高めることを重視して行われ
なければならない。
(大学)
第七条
大学は、学術の中心として、高い教養と専門的能力を培うとともに、深く真
理を探究して新たな知見を創造し、これらの成果を広く社会に提供すること
により、社会の発展に寄与するものとする。
- Kwansei コンピテンシー
- (知識)
- (能力)
- 論理的な思考力
- 主体的に行動する力
- 生涯にわたって学び続ける力
- 豊かな人間関係を築く力
- 対立する価値を調整する力
- (資質)
- 困難を乗り越える粘り強さ
- よりよい社会に変革する情熱
- 誠実さと品位
誰のための Type-A 教室か?†
- 学生
- 教員
- 職員
- 学外の利用者
上記の目的を達成するためなので「学生」が 1 番
その目的を達成するために教育する主体である「教員」が 2 番
PC 教室のトレンド (現在および将来)†
Type-A 教室の手本となる先行事例†
Type-A 教室の目的†
TEAL の目的 + BYOD + ICT 活用 - 可視化/シミュレーション
- TEAL (Technology-Enabled Active Learning) の実現
- O1. collaborative learning: 協働的な学びの場を提供する
- O2. device heterogeneity: 学生が個人で所有する多様なデバイスを教室内で活用できること
- O3. multi-way dialogue: 学生および教員間で多様な「対話」ができること (例: Q&A、クリッカー、クイズ、プレゼン、資料配布など)
Type-A 教室への要求仕様†
基本的に St. Norbert College の要求仕様そのまま
- R1. 4 人グループでの協働に適した広い机
- R2. 各テーブルごとに設置されたディスプレイ (グループ単位で同一の資料を、利用者が密集することなく閲覧できる) → 小型は NG
- R3. 壁面に設置した複数のホワイトボード
- R4. 持込みデバイスをディスプレイに投影するための手段 (ソフトウェア/ハードウェア)
- R5. 各グループごとに利用可能な可搬型のホワイトボード
- R6. 貸し出し用 PC
- R7. 安定した無線 LAN と必要なソフトウェア配布の仕組み
- R8. 教員が教室内を移動し、学生を妨げることなく学習のようすを見られること
- R10. 多様な学びの形態に合わせてレイアウト可能であること(R1 に反する、R2 に制約がかかる)
- R11. 受講者が、他の受講者 (全員または一部) に対して自身の PC の画面を提示できること
- R12. R11 の画面上に、他の受講者がアノテーションを加えられること。
- R13. 受講者が、他の受講者 (全員または一部) とリアルタイムでメッセージ交換ができること
- R14. R13 で交換したメッセージを受講者が後からアクセスできること、また必要により削除できること
- R15. 受講者が、他の受講者 (全員または一部) とファイルを交換できること
- R16. R15 においてウィルスチェック等により不正ファイルなファイルを排除できること
- R17. ディスプレイに投影された画像をビデオとして収録でき、許可された受講者が閲覧およびダウンロードできること
- R18. ハイフレックス型授業が可能であること (遠隔にいる教員/受講生が参加できること)
- R19. ハイフレックス型授業の映像および音声が収録可能であること
- R20. ホワイトボードに書き込んだ文字・図形が自動的にデジタル化されること
Type-A 教室の設計方針†
- KISS (Keep It Simple Stupi) の原則で設計する。
- 単純で、簡単で、価格帯性能比が良いものを組み合せる。
- 今後の技術の進歩に応じて柔軟に組み合せられるものとする。
- 逆に言えば、作り込まれた、高機能・大規模・複雑なシステムを避ける。
Type-A 教室の実現例†
※ 括弧内は 40 人規模の教室での実現例
可動式の机、可動式の椅子 (二人掛けの机 x 20、椅子 x 40)
- F1. 机、椅子ともに必要に応じて簡単に移動できること。
- F2. 机の高さは BYOD 端末を持ち込んで快適に利用できる高さであること。
- F3. 机上は BYOD 端末等を置けるだけの十分な広さがあること。
- F4. 机や椅子は長時間連続して使用しても疲れにくいものであること
- F5. 机や椅子はデザイン良いものであること。
- F6. 机や椅子は必要に応じて折畳めることが望ましいが、F1〜F5 を優先する。
それぞれの机への給電は不要 (床上のコンセント等で対応する)
ディスプレイ†
大型液晶ディスプレイ (大型液晶ディスプレイ x 9、Cynap? x 9)
- D1. 4 人グループにつき 1 つ以上の独立したディスプレイが利用できること
- D2. 1 つのディスプレイは 20 人程度が同時に視認できる程度の大きさであること
- D3. BYOD 端末のデスクトップ画面を任意の選択したディスプレイに投影できること
- D4. D3 は LAN 経由で投影できること
- D5. D3 を USB Type-C ケーブルや HDMI ケーブルで接続できることが望ましい
- D6. D3 は LAN が利用不可であっても実現できることが望ましい
- D7. D4 は標準的なプロトコルを使用しており、複数の OS に対応していること。
- D8. D4 は特定のドライバやアプリケーション等のインストールが不要であること。
- D9. D4 や D5 は映像だけでなく音声も再生されることが望ましい。
- D10. D3 の映像・音声を他受講生の BYOD 端末でリアルタイムに受信できることが望ましい
受講生の画面投影はネットワーク経由を標準とする
液晶プロジェクタ (液晶プロジェクタ x 1 + Cynap x 1 + 分配器)
- P1. 教員端末の投影用に教室前方に大型のスクリーンを設定すること。
- P2. 教員端末の映像はすべてのディスプレイにミラーリングして表示できること
簡便さ、汎用性を重視し、電子白板は使用しない
部屋を暗くする必要があるプロジェクタの利用は最小限とする
ホワイトボード†
ホワイトボード (壁掛け型ホワイトボード x 10、Kaptivo x 10)
- W1. 4 人グループで書き込みながら議論できるようなレイアウトであること
- W2. 高身長および低身長の人にとって使いやすい高さであること
- W3. ホワイトボードに描画した内容が簡便に画像または PDF 形式で収録できること
- W4. 収録したデジタルデータを簡単な方法で取得できること
- W5. 状況に応じて W3 を禁止し、許可しない利用者に対する W4 が禁止できることが望ましい。
- W6. 4 人グループに一つ以上、可搬型の小型ホワイトボードがあること
オーディオ機器†
- ワイヤレスマイク (ワイヤレスハンドマイク x 2、ワイヤレスピンマイク x 2)
- スピーカ、ミキサ
- A1. 教室内で 4 つ以上のワイヤレスマイクが同時に利用できること。
- A2. 3.5mm ステレオプラグからラインレベルのオーディオ信号を外部入力できること。
- A3. プリフェーダーのマイク信号を 3.5mm プラグで外部に取り出せること。
その他†
- 固定のカメラは設置しない
- ハイフレックス授業用に特別の設備は設置しない
- 特別の給電設備は用意しない (電源コンセントのみ)
- Anker Nano II 65W のような PD 対応充電器を各自が持つほうがよい (汎用性が高い)
「Type-A 教室への要求仕様」への適合性†
- R1. 4 人グループでの協働に適した広い机
→ F3 で満たされる
- R2. 各テーブルごとに設置されたディスプレイ (グループ単位で同一の資料を、利用者が密集することなく閲覧できる) → 小型は NG
→ D1 で満たされる
- R3. 壁面に設置した複数のホワイトボード
→ W1 で満たされる
- R5. 各グループごとに利用可能な可搬型のホワイトボード
→ W6 で満たされる
- R6. 貸し出し用 PC
→ Type-B 教室の調達に含まれる
- R11. 受講者が、他の受講者 (全員または一部) に対して自身の PC の画面を提示できること
→ D3 で満たされる
- R20. ホワイトボードに書き込んだ文字・図形が自動的にデジタル化されること
→ W3 で満たされる
懸念点†
- 不特定多数の教室利用で Cynap や Kaptivo がどの程度利用に耐えるか? (セキュリティ上の問題がないか?)
- Cynap を多数導入して予算に収まるか? Anycast のような安価なもの (30US$) で代用できないか?
- 液晶ディスプレイを壁面に多数設定できるか (壁の強度、電源、配線の問題がないか)?
- Kaptivo を多数導入できるか (国内のベンダが調達できるか、予算に収まるか)?
- Zoom を SSO 連携して学生にもアカウントを発行するべきではないか?
- セキュリティ上の問題で制約をかけている Teams で実用に耐えるか?
コメント†
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