#author("2020-07-02T14:39:10+09:00","default:editor","editor")
* 教員向け/Microsoft Formsの答案整理法 [#r86717b0]

** Microsoft Forms を使う上で困ること [#x0c8db67]

Microsoft Forms を使えば簡単にクイズやレポート課題のフォームを作成し、学生から
の答案を回収することができます。Microsoft Forms によるフォームの作成法について
は以下をご覧ください。

- [[教員向け/Microsoft Formsによるクイズ作成]]

Microsoft Forms を使って課題の答案を回収する場合には、誰が回答したのかを区別で
きるように、Microsoft Forms の設定で「自分の所属組織内のユーザのみが回答可能」
および「名前を記録」を選択しておきます。このように設定しておけば、Microsoft
Forms の回答結果に、回答者の ID (abc12345@nuc.kwansei.ac.jp) と名前 (カタカナ
表記) が記録されます。

  Microsoft Forms に記録されるのは Microsoft 365 の ID (@ の後が
  nuc.kwansei.ac.jp) になります。関西学院システム利用者 ID は
  abc12345@kwansei.ac.jp という形式 (@ の後は kwansei.ac.jp のみ) であることに
  注意してください。

ただし残念なことに、記録されるのは ID と名前のみであり、答案の採点や集計に必要となる
学籍番号は含まれていません。

通常、成績管理には学籍番号をキーとして使用していると思いますので、Microsoft
Forms の回答と回答者の学籍番号を対応させる必要があります。

** Microsoft Forms の回答と学籍番号を対応させる方法 [#lacb0621]

以下では、Microsoft Forms のそれぞれの回答を、Microsoft Forms の回答者の学籍番
号と対応付ける方法を説明します。いろいろな方法が考えられますが、ここでは最も分
かりやすい (何を行っているかを理解しやすい) と思われる方法 (経済学部の豊原法彦
先生に教えていただきました) を紹介します。

基本的な方針は以下の通りです。

- Microsoft Forms の回答を Excel ファイルとしてダウンロードする
- LUNA から科目の受講者名簿を CSV ファイルダウンロードする
- Excel の関数を使って、Microsoft Forms の回答に記録されている ID をキーとして、受講
  者名簿から対応する学生の学籍番号を特定する

以下、具体的な手順を説明します。

- 1. Microsoft Forms の回答を Excel ファイルとしてダウンロード

まず、Microsoft Forms にアクセスし、回答をダウンロードしたいフォームを開きます。

#ref(http://kg-ict.info/img/forms-m-02.png,center)

「応答」のタブを選択し、「Excel で開く」をクリックします。これにより、学生から
の答案が Excel ファイルとしてダウンロードできます。以下、このファイルを「回答
ファイル」と呼びます。

#ref(http://kg-ict.info/img/forms-m-03.png,center)

正しくダウンロードできているか、ダウンロードした Excel ファイル (回答ファイル)
を開いて中身を見てみます。D 列と E 列はMicrosoft Forms によって自動的に記録さ
れたフィールドです (学生が回答したものは I 列以降にあります)。D 列に回答者の
IDが、E 列には回答者の氏名 (カタカナ表記) が記録されています。

メニューバー下の「編集を有効にする」をクリックして、編集できる状態にしておきま
す。

#ref(http://kg-ict.info/img/forms-m-09.png,center)

- 2. LUNA から受講者名簿をダウンロード

まず、LUNA にログインし、科目のページにアクセスします。左側の「科目管理」の中
の「科目ツール」を選択すると科目ツールのメニューが展開されます。

#ref(http://kg-ict.info/img/forms-m-06.png,center)

#ref(http://kg-ict.info/img/forms-m-07.png,center)

展開されたメニューの中にある「名簿ダウンロード」をクリックします。名簿ダウンロー
ドの画面になりますので、「ダウンロード」をクリックして、名簿ファイルを CSV ファ
イルとしてダウンロードします。以下、このファイルを「名簿ファイル」と呼びます。

LUNA は少し変な仕様になっており、名簿ファイルの中身はタブ区切りの CSV ファイル
(プレーンテキスト形式) にもかかわらず、ファイル名の拡張子が .xls になります
(つまり、ファイルの中身と拡張子が合っていません)。

#ref(http://kg-ict.info/img/forms-m-07.png,center)

ダウンロードした名簿ファイル (「meibo-○○○○.xls」というファイル名のはずです)
を Excel で開きます。前述の通りファイル名の拡張子が変ですので、

  「ファイル形式と拡張子が一致しません。ファイルが破損しているか、安全ではない
  可能性があります。発行元が信頼できない場合は、このファイルを開かないでくださ
  い。ファイルを開きますか?」

という確認のダイアログが表示されますが、「はい」を選択して開きます。

#ref(http://kg-ict.info/img/forms-m-01.png,center)

- 3. Microsoft Forms の回答ファイルに列を追加

以降は純粋に Microsoft Excel の使い方の話になります。

まず、回答ファイルに学籍番号を表示させるための列を追加します。ここでは A 列に
追加することにします。

- 4. Microsoft Forms の回答ファイルの A 列に式を入力

A2 セル (A 列 2 行目のセル) に式を入力します。

  =VLOOKUP(LEFT(E2, 8),'名簿ファイル名'!$H$3:$I$999,2,FALSE)

「名簿ファイル名」には、LUNA からダウンロード名簿ファイルの名前を指定してください。

  名簿ファイル名の入力には、式の入力途中に「名簿ファイル」のシート中の該当する
  セル (例: $H$3:$I$999) をドラッグして選択するのが簡単です。

正しく入力すれば、A2 セルに 2 行目の E 列の関西学院システム利用者 ID に対応す
る学生の学籍番号が表示されるはずです。名簿ファイルに対応する学生が存在しない場
合は「#N/A」と表示されます。

一見すると複雑な式に見えます。式の中身を見てゆきましょう。式の構成としては、

  =VLOOKUP(LEFT(E2, 8),'名簿ファイル名'!$H$3:$I$117,2,FALSE)
           =========== ===========================
             学生のID     学生のIDと学籍番号の一覧

となっています。VLOOKUP 関数を使って、「学生のIDと学籍番号の一覧」から「学生の
ID」に一致する行を (VLOOKUP (Vertical LOOKUP) なので縦方向に) 探索して、その 2
列目の値を取り出す、という意味です。最後の FALSE は検索方法を指定しており、
「学生の ID と完全に一致しないとダメ」という意味になります。VLOOKUP 関数でよく
間違えるポイントなので、「よくわからなければ最後に FALSE を付ける」と覚えてお
くとよいと思います。

「学生の ID」に対応する式が

  LEFT(E2, 8)

です。abc12345@nuc.kwansei.ac.jp のような ID の先頭の 8 文字を取り出しています。

「学生のIDと学籍番号の一覧」に対応する式が

  '名簿ファイル名'!$H$3:$I$999

です。名簿ファイル中の ID と学籍番号が書かれているのセルの範囲 (H3 から I999
まで) を指定しています。$ が付いているのは絶対アドレスを意味します。

あと一息で完了です。A2 セルを、A3、A4、A5……セルにまとめてコピーします。A2 セ
ルをコピー (C-c) して、貼り付けたいセルをまとめて選択してから貼り付け (C-v) で
コピーできます。