Microsoft Forms を使えば簡単にクイズやレポート課題のフォームを作成し、 学生からの答案を回収することができます。 Microsoft Forms によるフォームの作成法については以下をご覧ください。
Microsoft Forms を使って課題の答案を回収する場合には、 誰が回答したのかを区別できるように、 Microsoft Forms の設定で「自分の所属組織内のユーザのみが回答可能」および 「名前を記録」を選択しておきます。 このように設定しておけば、 Microsoft Forms の回答結果に、 回答者の ID (abc12345@nuc.kwansei.ac.jp) と名前 (カタカナ表記) が記録されます。
Microsoft Forms に記録されるのは Microsoft 365 の ID (@ の後が nuc.kwansei.ac.jp)になります。関西学院システム利用者 ID は abc12345 という形 式で、メールアドレスはabc12345@kwansei.ac.jp という形式 (@ の後は kwansei.ac.jp のみ) であることに注意してください。
ただし残念なことに、 記録されるのは ID と名前のみであり、 答案の採点や集計に必要となる学籍番号は含まれていません。
通常、成績管理には学籍番号をキーとして使用していると思いますので、 Microsoft Forms の回答と回答者の学籍番号を対応させる必要があります。
以下では、Microsoft Forms のそれぞれの回答を、 Microsoft Forms の回答者の学籍番号と対応付ける方法を説明します。 いろいろな方法が考えられますが、 ここでは最も分かりやすい (何を行っているかを理解しやすい) と思われる方法 (経済学部の豊原法彦先生に教えていただきました) を紹介します。
基本的な方針は以下の通りです。
以下、具体的な手順を説明します。
まず、Microsoft Forms にアクセスし、 回答をダウンロードしたいフォームを開きます。
「応答」のタブを選択し、 「 Excel で開く」をクリックします。 これにより、学生からの答案が Excel ファイルとしてダウンロードできます。 以下、このファイルを「回答ファイル」と呼びます。
正しくダウンロードできているか、 ダウンロードした Excel ファイル (回答ファイル) を開いて中身を見てみます。 D 列と E 列はMicrosoft Forms によって自動的に記録されたフィールドです (学生が回答したものは I 列以降にあります)。 D 列に回答者の ID が、 E 列には回答者の氏名 (カタカナ表記) が記録されています。
メニューバー下の「編集を有効にする」をクリックして、 編集できる状態にしておきます。
まず、LUNA にログインし、 科目のページにアクセスします。 左側の「科目管理」の中の「科目ツール」を選択すると科目ツールのメニューが 展開されます。
展開されたメニューの中にある「名簿ダウンロード」をクリックします。 名簿ダウンロードの画面になりますので、 「ダウンロード」をクリックして、 名簿ファイルを TSV ファイルとしてダウンロードします。 以下、このファイルを「名簿ファイル」と呼びます。
LUNA は少し変な仕様になっており、 名簿ファイルの中身はタブ区切りの TSV ファイル (プレーンテキスト形式) にもかかわらず、ファイル名の拡張子が .xls になります (つまり、 ファイルの中身と拡張子が合っていません)。
ダウンロードした名簿ファイル (「 meibo-*.xls 」というファイル 名のはずです) を Excel で開きます。 前述の通りファイル名の拡張子が変ですので、
「ファイル形式と拡張子が一致しません。ファイルが破損しているか、安全ではない 可能性があります。発行元が信頼できない場合は、このファイルを開かないでくださ い。ファイルを開きますか?」
という確認のダイアログが表示されますが、 「はい」を選択して開きます。
以降は純粋に Microsoft Excel の使い方の話になります。
まず、回答ファイルに学籍番号を表示させるための列を追加します。 ここでは A 列に追加することにします。
A2 セル (A 列 2 行目のセル) に式を入力します。
=VLOOKUP(LEFT(E2, 8),'名簿ファイル名'!$H$3:$I$999,2,FALSE)
「名簿ファイル名」には、 LUNA からダウンロードした名簿ファイルの名前を指定してください。
名簿ファイル名の入力には、式の入力途中に「名簿ファイル」のシート中の該当する セル (例: $H$3:$I$999) をドラッグして選択するのが簡単です。
正しく入力すれば、 A2 セルに 2 行目の E 列の関西学院システム利用者 ID に対応する学生の学籍番号が 表示されるはずです。 名簿ファイルに対応する学生が存在しない場合は「#N/A」と表示されます。
一見すると複雑な式に見えます。 式の中身を見てゆきましょう。 式の構成としては、
=VLOOKUP(LEFT(E2, 8),'名簿ファイル名'!$H$3:$I$999,2,FALSE) =========== =========================== 学生のID 学生のIDと学籍番号の一覧
となっています。 VLOOKUP 関数を使って、 「学生の ID と学籍番号の一覧」から「学生の ID」に一致する行を (VLOOKUP (Vertical LOOKUP) なので縦方向に) 探索して、 その 2 列目の値を取り出す、 という意味です。 最後の FALSE は検索方法を指定しており、 「学生の ID と完全に一致しないとダメ」という意味になります。 VLOOKUP 関数でよく間違えるポイントなので、 「よくわからなければ最後に FALSE を付ける」と覚えておくとよいと思います。
「学生の ID 」に対応する式が
LEFT(E2, 8)
です。 abc12345@nuc.kwansei.ac.jp のような ID の先頭の 8 文字を取り出しています。
「学生のIDと学籍番号の一覧」に対応する式が
'名簿ファイル名'!$H$3:$I$999
です。 名簿ファイル中の ID と学籍番号が書かれているのセルの範囲 (H3 から I999 まで) を指定しています。$ が付いているのは絶対アドレスを意味します。 この例では、受講者が 997 人を超えることはないという想定で $I$999 までを 指定しています。 受講者が 123 人なら、 通常は $H$3:$I$125 で大丈夫です (名簿ファイルの先頭に 2 行あるので、 受講者数 + 2 必要です)。
あと一息で完了です。 A2 セルを、A3、A4、A5 ……セルにまとめてコピーします。 A2 セルをコピー (C-c) して、 貼り付けたいセルをまとめて選択してから貼り付け (C-v) でコピーできます。
ここで紹介した、Excel を使った方法の最大の難点は、 上記のような作業を手作業で行う必要があることです。 人間がこれを手作業で行うということは、 何回かに一回はミスをする (人間は間違う生き物だから) ということを意味します。 回答ファイルと名簿ファイルの対応を何度もチェックして、 入力した式が間違ってないかを確認してください。
とりあえず思い付くチェックリストを書いておきます。
過去にダウンロードした別の名簿ファイルを誤って使っていないか? 名簿ファイルは最新のものか? 履修の追加や取り消しの前の古いものを使っていないか?
行や列がずれていないか? (非常によくある誤りです)
他の方法として、Microsoft Forms の回答と学籍番号を対応させるための専用の プログラムを使用するという方法もあります。
Windows 10 (x64) および Linux (x64) 用の実行ファイルも置いてありますので、 Windows や Linux をお使いの方でしたら実行ファイルをダウンロードして 実行するだけで使用できます。
ただし、十分に動作検証されたプログラムではありませんので、 「プログラムが間違っているかもしれない」ということを前提に (学籍番号が正しく 記入されているかを必ず目視で毎回チェックして) ご利用ください。
さらに他の方法として、 Microsoft Forms の回答と学籍番号を対応させるための 専用の Excel アドインを使用するという方法もあります。
Excel のアドインを利用できるためには、 アドインのダウンロードやセットアップ等の作業が少し必要ですが、 いったんセットアップすれば Excel のクイックアクセスツールバーのアイコンを 押すだけで手軽に実行できます。
ただし、十分に動作検証されたプログラムではありませんので、「プログラムが間 違っているかもしれない」ということを前提に (学籍番号が正しく記入されているか を必ず目視で毎回チェックして) ご利用ください。
アクセス数: 現在: 2, 今日: 1, 合計: 3697