#author("2020-04-13T10:18:42+09:00","default:editor","editor")
* Zoom によるビデオ会議/ライブ講義 [#q5b88da3]

** Zoom とは? [#pf6eb11c]

Zoom とは、ズームビデオコミュニケーションが 2013 年から提供しているクラウド
上のビデオ会議サービスです。
ビデオ会議システムの歴史は古く、
インターネットの普及・高速化とともに、
19990 年代後半から少しずつ利用が拡大してきました。
ビデオ会議システムの技術発展とともに、
主流となるベンダが、
Polycom、Skype、WebEx などと移り変わってきており、
ここ数年は Zoom が世界中で最も広く利用されています。
Datanyze のデータだと、
Zoom のマーケットシェアは約 40 % で、
2 位の GoToWebinar (約 20 %) を大きく引き離しています。

- [[Market Share Category: Web Conferencing>https://www.datanyze.com/market-share/web-conferencing--52]]

Zoom で何ができるかを知るためには、
最初に以下のページ (Zoom 公式サイトの紹介ページ) を見るとよいでしょう。

- [[外部リンク: Zoomミーティングとチャット>https://zoom.us/jp-jp/meetings.html]]

** 3 分でわかる Zoom の構成 [#sd05d300]

Zoom は Windows、macOS、
Linux 上で単独で動作するデスクトップ版アプリと Android OS や iOS 上で単独で
動作するモバイル版アプリがあります。
これらに加えて、Web ブラウザを利用して (Web サービスとして) 動作する Web 
版もあります。
デスクトップ版、モバイル版、
Web 版で提供される機能がそれぞれ異なることに注意が必要です。
また、新しい機能が随時追加されているため、
同じ OS のアプリでもバージョンによって使える機能が違っていたりします。
Zoom はクラウド上のビデオ会議サービスですので、
これらのアプリ (Web ブラウザ上で動作する Web アプリも含む) は「 Zoom 
クライアント」と呼ばれます。

Zoom はビデオ会議に特化したサービスですので、
その全体像を理解するのはそれほど難しくありません。
しかも、もともと企業向けに開発されたサービスですので、
「企業におけるビデオ会議に必要なもの」以外の余計なものがほとんど
付いていません (最近のバージョンアップで「いいね」ボタンが UI の
目立つところに配置されたりしてますが)。
Skype や Teams のようなソーシャルを指向したものではなく、
Polycom や WebEx と同じようなビジネス寄りの設計になっています。

Zoom を理解する上で重要なのは以下の概念です。

- ミーティング

>Zoom におけるビデオ会議は「ミーティング」と呼ばれます。
ミーティングには、それぞれ固有の (9 桁もしくは 10 桁の) ID が
割当てられています。
ミーティングへの参加者は、
ミーティング ID を指定してビデオ会議に参加します。
ミーティングにはパスワードを設定することが可能です。
ミーティングへの参加 URL を生成することができますが、
参加 URL にはミーティング ID とミーティングパスワードが (デフォルトの
設定では) 埋め込まれています。
ミーティングのパスワードも埋め込まれていることに注意が必要です。
ビデオ会議ごとに異なるミーティング ID を生成するのが普通の使い方ですが、
Zoom アカウントに紐付いた、
固定の「パーソナルミーティング ID 」を使用することもできます。

- 参加者

>Zoom におけるミーティングに参加する人です。
Zoom のミーティングでは、
通常 100 地点まで接続することが可能です。
参加者は、上述のミーティング ID を知っていればミーティングに参加できます。
Zoom のアカウントを取得して (サインインした状態で) ミーティングに
参加することも、ゲストとして参加することも可能です。

- ホスト

>Zoom におけるミーティングの主催者は「ホスト」と呼ばれます。
Zoom では、「ホスト」と「参加者」の役割が明確に分けられています。
ホストはミーティングに関するさまざまな権利を持っており、
ミーティングの録画・録音、
画面共有の許可・不許可、
参加者のマイクの (第三者による) ミュート ON/OFF、
参加者の排除等はホストにしかできません。
Zoom ではホストと参加者の役割が明確に分けられているので、
一般的な会議にうまく馴染みます。
議長が (もしくは議長代行が) ホストを担い、
参加者を管理しながらビデオ会議を進行してゆく、
という流れです。

- 画面共有

>Zoom において特に頻繁に使われる機能が「画面共有」です。
これは、ある参加者のコンピュータの画面 (デスクトップ全体や、
特定のウィンドウ) を、
ビデオとして他の参加者に配信できるというものです。
通常、「会議中で説明する人が、
説明者のコンピュータ上に資料を写し、
それを他の参加者に配信する」という使い方をします。
参加者の画面共有はホストが禁止することもできます。

- チャット

>Zoom のアプリ内で閉じたチャット機能があり、
ミーティングに参加している他のすべての参加者全員に対して、
もしくはミーティングに参加しているある特定の参加者に対して
テキストメッセージを送ることが可能です。
画面共有と同じように、
参加者のチャットはホストが禁止することもできます。
最近のバージョン (少なくとも Windows 版と macOS 版) では、
チャットにファイルを添付することができるようになっています。

Zoom におけるミーティングの主催 (つまり、
ホストになる) には Zoom アカウントの取得が必要です。
無料のアカウント (Basic) でもホストになることが可能ですが、
多地点接続の場合、ミーティング時間の上限が 40 分という制限があります (40 分を
超えると自動的に切断されます)。
有料のアカウント (Pro、
Business、Enterprise) では接続時間の上限が 24 時間 (?) になります。
最大接続地点数や同時に開催できるミーティング数 (ホスト数) 等によって
ライセンスが異なります。

* Zoom の完成度・未成熟度 [#y4bd186c]

Zoom がこれほど普及した要因は、
Zoom クライアント (アプリ) のインターフェースの完成度が高いこと (直感的に
使えること)、そして何より、
ビデオ会議の品質が高いことだと思います。
Polycom、Skype、Tandberg、
WebEx といった他の競合するビデオ会議システム / サービスと比較しても、
頭一つ抜きんでている感じがします。
数年間 Zoom を使用していましたが、
Zoom のクラウド側の障害やアプリの不具合と思われる原因によりビデオ会議が
開催できなかった / 参加できなかったことはありませんでした。
Polycom、Skype、WebEx では一定の頻度で、
ビデオ会議に接続できない、
ビデオ会議中に途中で切断されてしまうなどの不具合が起こっていました。

最近、Zoom のセキュリティ上の懸念があちこちで報道されており、
また、いくつかの組織は Zoom の使用を禁止しています。
こういった影響もあり、
Zoom クライアントが頻繁にアップデートされています。
これによって、セキュリティ対策なのでしょうが、
Zoom クライアントのデフォルトの挙動がいろいろ変更になっていますので
注意してください。

- [[関連情報/Zoomのセキュリティ問題に関する報道]]
- [[学部リンク: Zoom Video Communications / Bans>https://en.wikipedia.org/wiki/Zoom_Video_Communications#Bans]]

もともと英語圏で開発されたソフトウェアですが、
日本語環境で Zoom クライアントを起動すればメッセージ等は日本語で表示されます。
しかし、一昔前のソフトウェアのように、
「日本語ネイティブではない人が直訳した不自然な (時として間違っている) 
日本語」になっています。
変な日本語のせいでかえって混乱しますので、
言語を英語に切り替えて使うことをおすすめします。
Windows なら、Zoom クライアントの「設定」ではなく、
アプリの言語設定で切り替える必要があります。
詳細は以下のページ (このページと同じ手順で English に切り替えられます) を見てください。

- [[外部リンク: Zoom表示言語を日本語表示に変更したい>https://zoom-support.nissho-ele.co.jp/hc/ja/articles/360032509392-Zoom%E8%A1%A8%E7%A4%BA%E8%A8%80%E8%AA%9E%E3%82%92%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E8%A1%A8%E7%A4%BA%E3%81%AB%E5%A4%89%E6%9B%B4%E3%81%97%E3%81%9F%E3%81%84]]

** 関西学院における Zoom 利用 [#j3025975]

2020 年 4 月現在、関西学院は組織として Zoom のライセンス契約を結んでいません。
Zoom を利用するためには、
無料アカウント (Basic) を利用するか、
各個人で有料アカウント (Pro 等) を契約する必要があります。
2020 年 4 月末までは、
教育機関の利用者に対して、
無料アカウントでも 40 分を超える多地点接続が可能になっています (組織ごとに
申請が必要で、サインイン後にアップグレードの操作必要です)。

- [[教育向けZoom>https://zoom.us/jp-jp/education.html]]

** Zoom 利用法に関する情報源 [#t7361e39]

Zoom クライアントは直感的なユーザインターフェースを持っていますので、とりあえず少人数でビデオ会議をするだけなら、zoom クライアントを立ち上げて、メニューをあれこれさわっているだけで一通りのことはできると思います。とりあえず使ってみて、失敗して、そこから覚えるのも一つの方法ですが、以下のような解説ビデオを観ればより効率的に Zoom の使い方を理解できると思います。

- [[Live Training Webinars>https://support.zoom.us/hc/en-us/articles/360029527911?_ga=2.141980210.1810217219.1586672283-1252118508.1586672283]]

** Zoom における音声・ビデオのテスト [#hdb220b4]

Zoom では、「ミーティングの参加」からミーティング ID (と必要に応じて
ミーティングパスワード) を入力し、
「参加」を押せばすぐにビデオ会議が始まります。
余計なトラブルを避けるためにも、
いきなりビデオ会議に参加するのではなく、
必ず事前に、マイク、
スピーカー、カメラが正常に動作しているかを確認してから会議に
参加するようにしましょう。

Zoom の接続テストは、
アプリ版では、右上の自身の名前のアイコンの下の「設定」をクリックし、
「ビデオ」と「オーディオ」からそれぞれカメラとマイク / スピーカが
動作しているかテストできます。

「ビデオ」から、カメラの映像が入力されていることを確認します。
「 HD を有効にする」をチェックすれば高画質なビデオが送信されます。
「外見を補正する」をチェックすると、
(Zoom のドキュメントによれば) 目の下のクマや顔のシミを
目立たなくしてくれるそうです。

「オーディオ」から「スピーカのテスト」を押して、
テスト音が再生されるかを確認します。
また、何か発話した時のマイクの「入力レベル」を確認して、
音声が入力されているかを確認します。

(Web 版でのテスト方法)

** Zoom のビデオ会議 [#e5e9ef00]

Zoom はかなり完成度の高いビデオ会議サービスですので、
Zoom の機能を理解して使えば、
少人数〜大人数の会議も問題なく実施できると思います。
会議を開催する時に覚えておくと便利な機能をいくつか紹介します。
// 以下で★が付いているものは、
// Teams には類似した機能がないと思います。

- 参加者管理
-- 詳細オプションで「ホストより前の参加を有効にする」をチェックしておけば、ホストが参加する前に参加者がビデオ会議を開始できる
-- 「パーソナルミーティング ID」を知っていれば、その都度ミーティング ID を発行しなくてもビデオ会議ができる
-- ホストは参加者の名前を自由に変更できる。参加者による名前の変更も設定で禁止できる
-- 会議前および会議中に、ホストの権限は他の参加者に委譲できる。ホストが途中で抜けたくなった時に便利。

- オーディオ
-- ホストは「参加者」リストから特定の参加者の音声を ON/OFF できる
-- ミーティング中にスペースキーを長押しすると、一時的にマイクをミュートにできる
-- 公衆電話回線からビデオ会議 (音声のみ) に参加できる。しかも、無料アカウントでも公衆回線が使える!

- ビデオ
-- デスクトップ全体や特定のウィンドウを「画面共有」によって他の参加者に送信できる
-- 事前もしくは会議中の設定により「誰かが画面共有中でも、他の参加者が共有を開始できる」ように設定できる。研究室のゼミ等ではこれを設定しておくと、「ごめん、画面共有切ってもらえる」といちいち断わらなくていいので便利。
-- 「仮想背景」を利用して、殺風景な部屋を隠すことができる。最新の Zoom クライアント + 高速なパソコンだと、(1) 単色の背景でなくても仮想背景が使える、(2) 仮想背景に静止画でなく動画を使える。
-- 「ホワイトボード」が標準で用意されており、マウスやペンタブレットで描いた図を他の参加者送信できる
-- 「ホワイトボード」には他の参加者も「コメントを付ける」で書き込めて、書いたものが全員で見られる
-- 最大 49 人のビデオを一度に表示することができる (最新の Zoom クライアントのみ?)
-- 「画面共有」時に、「オプションを表示」→「リモート制御のリクエスト」から、送信者の端末をリモート制御できる (キーボードやマウスを遠隔から操作できる)。「普通の」リモートデスクトップ (RDP や VNC) よりは画質・レスポンスは悪いが場面によっては役立ちそう。

- チャット
-- 参加者全員や、特定の参加者に対してテキストメッセージを送れる。最新の Zoom クライアントならファイルも添付できる
-- 参加者リストに「手を上げる」機能があり、「ちょっといいですが……」と発話しなくても、発言の意志を他の参加者に伝えられる

- その他
-- ビデオ会議のようすをビデオ (MP4 ファイル) として記録・保存できる。ホストが許可すれば参加者側でも記録できる。有料会員であれば記録したビデオをクラウド上にも保存できる。
-- ビデオ会議の録画は、Zoom クライアントを単独で起動した状態でも使用できるため、Zoom クライアントを「講義ビデオ収録アプリ」として使うことができる。講師の映像、パソコンの画面、さらにはホワイトボードを切り替えて写しながら、音声とビデオを MP4 ファイルとして記録できる (バークレーのページで紹介されていました。とても賢い使い方だと思います。)

私自身は使ったことがありませんが、
参加者リストを使って授業の出席を取る、
有料アカウントのログ機能を使って出席を取る、
ブレイクアウトルームを使って参加者を複数の小部屋に分ける、
ミーティングの参加者を Zoom アカウント保有者 /Zoom アカウント保有者で
同一ドメインのみ (例えば、
kwansei.ac.jp) に限定できる、
オリジナルの音 (Zoom はデフォルトで音声を加工しているが、
加工しない生の音) を送信できる、等の機能もあるようです。

以下のページにある、
授業における Zoom の活用法に関する FAQ はとても有用です。

- [[外部リンク: Instructional Resilience Zoom FAQ>https://docs.google.com/document/d/e/2PACX-1vTIb5MO13GXUHKQAdBnIN3_Mx3384xd0JfufYUkbQUVfEhR9t_CCvVMmq7-j_2_Q36oQzsfGzQoXOgy/pub]]

** Zoom を用いたビデオ会議の開催 [#zaf2ab80]

** Zoom を用いたライブ講義の開催 [#f1459506]

** Teams と Zoom の比較 [#l613eb84]

** コメント [#sfc37d6e]
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