Microsoft OneDrive は、 Microsoft が 2007 年から提供を開始している、 オンラインストレージサービスです。 ローカルのハードディスクや SSD のようなストレージではなく、 インターネットを介して接続されたクラウド上のストレージ (実際には遠隔地の サーバに接続されているストレージ) を利用できるサービスです。 競合するサービスとしては、 Google Drive、DropBox、 Box などがあります。 こららのオンラインストレージサービスはそれぞれ細かな違いがありますが、 非常に乱暴に言えば「どれも大体同じようなもの」です。
OneDrive には無償のものと有償のものがあります。 ややこしいですが、無償版は OneDrive、 有償版は OneDrive for Businessと呼ばれます (正確には組織向けの高額な 有償版)。 関西学院は Office 365 に契約していますので、 有償版の OneDrive for Business が利用できます。 無償版はストレージの容量が 5 G バイト、 有償版はストレージの容量が 1 T バイト (無償版の 200 倍) です。
OneDrive と OneDrive for Business の違いは以下がわかりやすいと思います。
OneDrive は基本的にオンラインストレージサービスの一つですので、 「インターネット上 (クラウド上) に借りているストレージ (例えば ハードディスク) を、 インターネット経由で遠隔地から自由に使える」というのに似た機能を提供します。 (1) ローカルから OneDrive にファイルをコピーする、 (2) OneDrive からローカルにファイルをコピーする、 (3) OneDrive に置いたファイルのバージョンを管理をする、 (4) OneDrive に置いたファイルを他の人と共有する、 (5) 複数のコンピュータのローカルストレージを (常に OneDrive のものと同じ 状態に) 同期する、というのが主な使い方です。
ローカルのストレージ (ハードディスクや SSD) はアクセスが非常に高速ですが、 ハードウェアが故障するとほとんどの場合、 データは復元できません (100 G バイトのハードディスクが故障したら、 100 G バイトすべてのデータが失なわれるのが普通です)。 一方、オンラインのストレージ (OneDrive) はインターネット経由のためアクセスは 遅いですが、(OneDrive 側でシステムが冗長化されているため) めったなことではデータが失なわれません。 OneDrive for Business では 99.9% の稼働率を SLA としています (これの意味は、 一年間 (52.5 万分) のうち、 OneDrive が利用できない時間が 525 分以上あれば利用代金を返金する、 というものです)。 頻繁に使うデータ、高速なアクセスが必要なデータ、 消えてもそれほど困らないデータはローカルに置き、 頻繁に使わないデータ、高速なアクセスが必要でないデータ、消えては困るデータ をオンライン (リモート) に置く、 というのが一般的な使い方です。
細かなものまで含めると、 OneDrive には数多くの機能が用意されています。 提供される機能の詳細は以下を見てみてください。
OneDrive は広く利用されているオンラインストレージサービスですので、 さまざまなドキュメントやビデオが公開されています。 それほど複雑なサービスではありませんので、 いろいろ試してみればそれなりに使えるようになると思います。 以下のドキュメントやビデオを見れば / 観ればさらに理解が深まると思います。
関西学院における、 Teams を使った講義の実施・録画方法、 OneDrive を使った教材等の配布方法が説明されています。
OneDrive 以外にも、無償で利用できるオンラインストレージサービスは複数あります。 これらの無償の (OneDrive 以外の) オンラインストレージではできないが、 関西学院の (有償で契約済みの) OneDrive でできることは以下のようなものです。
関西学院のシステム利用 ID を持っている人だけが、 関西学院が契約している OneDrive for Business を利用できます。 このため、例えば、「関西学院のシステム利用 ID を持っている人だけにファイルを 公開する」といった使い方が可能です。
OneDrive は Microsoft が開発・提供しているサービスですので、 Microsoft が提供する他のサービスとの連携が簡単に、 かつ便利にできます。 特に、Microsoft Office (正確には、Web 版の Office オンライン) と見事な連携が可能です。 単に PDF ファイルや MP4 ファイル (ビデオ) を共有したいだけであれば OneDrive のメリットはあまりありませんが、 Office のファイル (Word、 Excel、PowerPoint) を共有するのであれば OneDrive は大変便利です。 というのも、OneDrive で共有した Office ファイルは、 そのまま Office オンラインで開いて表示・ (変更が許可されていれば) 編集が 可能です。 Microsoft Office を持っていない受講生や、 Microsoft Office が動作しないコンピュータ (Linux や Chromebook や スマートフォン等) を使っている受講者であっても、 OneDrive を介せば Office のファイルを共有し、 (必要であれば) 編集させることができます。
Google Drive にも Google Document や Spreadsheet がありますが、 Office ツールとしての完成度がまったく違います。 (そもそもと言えば Office の問題点ですが) Microsoft Office のファイルを、 他の互換ソフトや互換サービスで開いてもレイアウトが崩れてまともに 表示されません。 Microsoft の Office オンラインであればレイアウトが崩れるといった 問題はほとんど発生しません。 なお、単独で動作する Office アプリケーションの すべての機能が Office オンラインで提供されいている訳ではないので注意が必要です (例えば、 一部の図や数式、変更履歴、 音声録音、文書校正などの機能は Office オンラインでは使用できません)。
上述のように、OneDrive は Microsoft が提供するクラウド上の オンラインストレージサービスです。 OneDrive for Business は容量が 1 T バイトあります。 OneDrive の、オンライン授業への活用法は、 おおよそ以下のようなものが考えられます。
講義の資料を PDF 形式で用意し、 これを受講生に配布するという使い方です。 特定のユーザにのみファイルを共有することももちろん可能ですが、 多数の受講者に配布する場合は、 共有のための「リンク」を作成し、このリンク (URL) を学生に何らかの方法で通知する、 という方法がおすすめです。 「関西学院のユーザだけに限定」することができますので、 例えばリンクが誤って外部に漏れてしまったとしても、 関西学院以外の人はアクセスできません。
OneDrive 上で PDF ファイルを開くと、 最低限の PDF ビューアが (Web ブラウザ内でサーバ側で動作する Web の アプリとして) 起動します。 PDF ファイルの閲覧に問題があるような環境 (例えばスマートフォンやマイナーな OS 等) であっても PDF ファイルを問題なく受講生に閲覧させることができます。 ただし、最低限の PDF ビューアなので、 凝ったことは何もできないことに注意が必要です。
ただし、この方法の大きな問題は、 PDF ファイルを LUNA 等の Web サーバから直接配布する場合と比べて、 PDF ファイルの表示に必要な通信量が非常に多くなるという点です。 OneDrive 上で PDF ファイルを表示する場合、 OneDrive サーバ側の Web アプリで PDF ファイルが表示されるため、 PDF ファイルだけを転送する場合に比べ (元の PDF ファイルの 大きさにもよりますが) 何十倍の通信量が発生する可能性があります。 学生さんの中には、3G/LTE のような低速な通信回線でアクセスしている人も多いと 思いますので、PDF ファイルを OneDrive 上に置くかはよく考える必要があります。
上の PDF ファイルの配布とほとんど同じですが、 よりメリットがあるのはビデオの配布です。 PDF ファイルと比較してビデオファイルはファイルサイズが何百倍〜何千倍にも 大きいため、巨大なファイルを配布する場合にはどこに配置するかをよく 考えなければいけません。 幸いにして OneDrive は、 Microsoft が世界中に展開している高性能なクラウド上で適用されていますので、 高速なインターネット回線で接続された、地理的に近い場所にある、高性能なサーバから提供されることが期待できます。 OneDrive for Business の容量が 1 T バイトですので、 かなりの数のビデオを配布することが可能です。
PDF ファイルの場合と同じように、 OneDrive 上でビデオファイルを開くと、 最低限のメディアプレイヤーが (Web ブラウザ内で) 起動します。 ただし、OneDrive 内で再生できるオーディオやビデオのフォーマットには制限があり、3G2, 3GP, ASF, BMP, M2TS, M4V, MOV, MP3, MP4, MP4V, MTS, TS, WMV のみがサポートされています。 これら以外のオーディオファイルやビデオファイルも当然 OneDrive 経由で 配布できますが、上記以外のフォーマットのファイルだと、 コンピュータのローカルストレージに保存しなければなりません (保存した後、 コンピュータ内のアプリを使って別途再生する)。 従って、例えば FLV ファイルを OneDrive で配布した場合、 受講者は FLV ファイルをいったんダウンロードすることになります (OneDrive 上で 再生できません)。 受講者のコンピュータに FLV ファイルを再生できるビデオプレイヤーがあれば 再生できますが、そうでなければ再生することができません。 また、PDF ファイルと同じように、 最低限のメディアプレイヤーなので、 凝ったことは何もできないことに注意が必要です。
また、OneDrive 上でのビデオ再生には注意が必要な点があります。 OneDrive 上でビデオを再生する場合、 OneDrive は、アップロードしたビデオファイルをそのまま再生しているのではなく、 再エンコーディング (つまり、 いったんデコードし、 さらにエンコードし直した) したビデオを配信しているようです。 従って、ビデオファイルの特性 (ピクセル数、 フレームレート、エンコーディング等) によっては非常に画質が劣化する 場合もあるようです (Web ブラウザ側のメディアプレイヤーの 作りにもよるそうですが、 詳細は不明です)。
Office オンラインで開ける、記入・編集させることも可能
OneDrive の機能ではないが Forms でアンケート実施できる
複数人で同時に Office ファイルを編集できる。非常に強力。
A. 調べましたが無理そうです。 iframe タグや video タグで埋め込めるのは、 Microsoft Stream/ ビデオといったサービスだけのようです。
A. OneDrive が生成する URL に規則性があるか見てみまたいがなさそうです。 公開者が誰か、ファイルの種別かビデオか否かくらいしか分からなさそうです。
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